フランス留学のこと

もう10年も経とうとしているから、記憶にある限りではあるけれど、記録しておこうと思う。

大学生の時、フランスに2度留学した。

1度目は、1年次が終了した春休み、ロワール地方のアンジェに1ヶ月。

2度目は、3年生の9月から4年生の7月まで。フランス東部のブザンソンという地方都市。

アンジェへは学科の志望者で行く、所謂短期の語学留学で、ホームステイだった(ご縁があった家族は本当によくしてくれて、当たりくじを引いたと思う)。

ブザンソン滞在は、留学…というよりは「遊学」に近く、自ら志願して、家族にもたくさん援助してもらったけど、ほぼ勉強しなかった。根が不真面目で、努力とか、継続してコツコツ励む、とかが本当に苦手で、前期通った語学学校も、後期に選択したブザンソン大学の授業も、不完全燃焼に終わってしまった。

 

10年経った今でこそ、もったいないことをしたなと少し、いやだいぶ後悔している。

で、勉強の代わりに何をしていたかというと、授業を抜け出して広場で焼きたてのワッフルを食べたり、「くいしんぼ同盟」的なチームを作って市内で気になるレストランに繰り出したり、月に1度は留学仲間と一緒にフランスのいろんな地方に旅行をしたり、まあまあ充実していた。

当時はまだスマートフォンが普及していなかったし、寮で契約していたWi-fiはいきなり繋がらなくなることもしばしばで、今振り返ってみるとなかなかサバイバルだったと思う。非常事態があったらせめて連絡がとれるように、と持参したガラケーと(使用したケースは幸いなかったけど)留学仲間から借りていた、最低限の機能しかないプリペイドケータイ。

分厚い『地球の歩き方』もページがくたくたになるまで読み込んで、地方に旅行に行く時にはボストンバックに重たいラップトップも詰め込んでいた。TGVに揺られて、見知らぬ街に出かけて、見知らぬ風景に出会って、おいしいものに舌鼓を打つのはとても楽しかった。

あの1年で、余暇を旅行に費やす楽しみとか、事前準備の段取り方法とか、フットワークの軽さとか(気が向いた時にしか発揮されないが)が培われたし、

見知らぬ場所に行ってみたい、違う文化を体感したい、という好奇心が薄れることなく持続しているのも、その魅力を充分に知る機会が得られたからだと思う。

まあ旅行の最中はあまり複雑なことは考えておらず、ただ「たのし~」「すごい~」「おいし~」「きれい~」「暑い/寒い…」などと漠然と捉えているだけのことがほとんどなんだけど…。

 

とにかく、つれづれ書いてみる。