2023年9月 夏休み、3泊4日岩手・関西ひとり旅

旅行計画

今年の春、突如柳田國男にはまり、「遠野物語」を筆頭に柳田國男民俗学に関連する書籍をずっと読んでいた時期があった。

遠野は小学生の頃に家族旅行で訪れ、河童釣りに挑戦したというおぼろげな記憶はあるものの、あまり馴染みがなく。

せっかくだから今年の夏休みは岩手だな!と心に決めて数ヶ月。

遠野市立博物館の企画展「遠野物語と呪術」を観覧することを主軸にプランニングしていたのだが、

 

芸術新潮8月号で敬愛する青池保子先生が神戸で原画展を開催すること、そして会期が夏休みにばっちり被っていることを知り、

こりゃあ両方行くっきゃない!!!というパッションで企画立案したのだった。

 

①岩手の土地勘がまっっったくなかったので、まずは地図で主要地の位置関係を確認。

遠野って花巻(新幹線が止まる)と結構近いんだな〜、在来線で1時間くらいで行き来できるんだな!

と把握したので、花巻温泉のどこかに宿泊することを決定。

ところがわたしは車の運転ができない。

東京よりもはるかにかかるであろう移動時間を想定し、2泊して遠野は中日で行くという安全策をとる。

 

②東京・花巻間は飛行機が飛んでおらず、移動手段が東北新幹線のみということが判明。(大人の事情ですか?)

ただし花巻・伊丹間は贔屓のJALに乗れるため、

東京、花巻、関西(梅田or神戸で1泊)の大移動スケジュールを模索。

 

③今回の旅で絶対にしたいことが

・東京駅でお弁当を買う。ツオップのカレーパンは必須

・梅田の大丸でツマガリのクッキー、どこかしらで551の肉まん(チルド)を自分へのおみやげに買う

だったので、

花巻→関西の順に周ることを決めた。

 

 

1日目

11:36 東京駅発やまびこ59号盛岡行き

車内でお昼ご飯。もちろんツオップの揚げたてカレーパン。

カレーパン1つじゃ絶対に足りないので、DEAN & DELUCAでサンドイッチも買った。

ケバブビーフサンドとかいうやつだった。くるみが入ったパンでおいしかった!

実は久々の東京駅が楽しみすぎて新幹線の発車1時間前に到着。

案の定時間を持て余し、銀の鈴辺りで本を読んで時間を潰していた…。

花巻に行くということで前日に調達した宮沢賢治、改めて読むととてもよかったです。

 

初めて乗るやまびこにテンションも上がり、わたしにしては珍しく昼寝をせず14:41に定刻通り新花巻駅到着、旅館へ送迎バスで移動。

 

駅前には銀河鉄道のモニュメント!

柱には「星めぐりの歌」が。

新幹線の中で読んだ「双子の星」のお話に出てた〜!と、ひとりで感極まる。

 

namari-onsen-ryokan.com

👆今回のお宿!

大大大満足のとっても素敵な温泉宿だった〜!!

 

温泉旅館に泊まる際、

・夕食前

・夕食後

・朝食前

には絶対お風呂に行きたいタイプ。

藤三旅館の温泉は源泉100%かけ流し・お湯の温度も高めで、最初の入浴時に20分くらい浸かっていたらちょっと湯当たりしてしまった…。

反省して次の入浴からは長くても10分程度で切り上げるように気をつけました。

 

ごはんもとってもおいしくて、ボリュームもちょうど良く完食!

心地いい満腹感で終えられてハッピー。

そして食後にも存分に温泉に行けるよう、お酒は我慢。

 

部屋からは渓流を眺められます。

水の音を聞きながら、読書したり布団でゴロゴロしたり、の〜んびり。

 

夜はお風呂上がりのぽかぽかで早々に就寝…のはずが、

隣の部屋のおじさん達の酒盛りが遅くまで続いているようで、ずーっとダミ声が響いてきてなかなか寝付けなかった😭

昔の建物で壁が薄かった。耳栓を持参しなかったことを後悔。。

 

 

2日目

寝起き即大浴場でぽかぽかになり、朝ごはん。

地産地消をモットーにしているメニューはもちろんおいしくておなかいっぱい。

普段だと絶対食べきれないのに、旅行の時だけ胃の許容量が増える不思議。

 

9:01 最寄りのバス停からの路線バスに乗車、花巻駅へ。

ここでプチ事件。

事前に岩手県交通のサイトをチェックしたところ、交通系ICカードが使用できるとのことだったので、あらかじめ東京でpasmoに1万円チャージしていたのだが…

やってきたバスの車内、どこにもカード決済端末がない!!!😂

慌てて現金決済。

 

そしてこの”pasmo使えない現象”はJR在来線でも起こった。

 

9:49 花巻発の釜石線に乗る。

改札を通る時、深く考えず自動改札にpasmoをタッチ。

 

10:51 遠野に到着、まさかの有人改札

駅員さんがもぎって?いる!

 

なんでもICカードの有効エリアは限定的で、遠野は対象外なんだとか。

花巻駅にちゃんとその旨掲示されてるのだがすっかり見落としていた。

駅員さんに現金で運賃をお支払いして改札を出た。

咄嗟の時はやっぱり現金なんだなー、念のため多めに持っていてよかったなーとしみじみしました。

 


まずは駅から歩いて30分、『遠野物語』にも出てくる愛宕山のふもとへ。

薄曇りだったからまあいけるかな、と歩き始めたところ途端にピーカン晴れに…

レンタサイクル借りればよかった、と思いついたのも道半ば。当然流しのタクシーもいないし、汗ダクになりながら頑張って歩きました。

なんなら外気温38度の日に上野公園をウロウロしていた時よりも汗をかいた気がする。

 

愛宕神社のあたりは大昔には沼地だったそうで、神秘的な空気でとっても素敵だった。

遠野物語』の通り、山の神様(=天狗さん)はぜったいいるな…と思わせる雰囲気。

 

そしてまた顔を真っ赤にして汗ダクで30分歩き、市内へ。

「とおの物語の里」という観光案内所?で涼ませていただく…なかなか汗が引かなくて恥ずかしかった。

冷えたりんごジュースがしみる〜〜〜。

 

施設のおねえさんから色々遠野のお話を伺って、

おすすめされた老舗の和菓子屋さんでお土産にいくつかお菓子を購入したり、

絶対行ってください!と熱弁なさっていたお豆腐屋さんにも寄って、おかみさんとお話ししながら朝しぼりたてという豆乳をいただいたり…

 

遠野でお話しした方、み〜〜〜んな気さくでいい方で本当に嬉しかった。

 

そして念願の市立博物館へ!

企画展ももちろんよかったけど、それ以上に常設展がすばらしかった。

遠野物語だけじゃなくて郷土史を深堀りした、じっくり見応えのある構成。

平日だったけど、館内にまあまあ人がいたのもほっとした。

きっとみんなレンタカーで周遊しているのでしょう。。。

 

博物館の裏山に鎮座する南部神社で河童さんに挨拶したところでにわか雨が。

慌ててふもとに降りて、今度は小腹が空いていることに気づく。

帰りの電車の時間が迫っていたのでお店に入って食事するわけにもいかず、結局地元スーバーのお惣菜コーナーで焼き味噌おにぎり(カリカリ梅入り!)をget。

施設内の”憩の広場”的なところで、ひとりおにぎりにかぶりつく…。

 

15:10 遠野発 JR快速はまゆり6号

今度はちゃんと切符を買って花巻へ。

 

宿に着いたら思いのほかくたくただったので、お風呂に入り、夕飯をいただいてからはNHK BSプレミアムでやっている六角さんの「呑み鉄」を見ながらゴロゴロ。

好きなんですあの番組。

この日はもう例のおじさんたちはいなくなっており、静かないい夜を過ごせました。

 

 

3日目

 

大阪へ移動。

送迎バスで旅館から花巻へ、11:06 JR東北本線盛岡行きに乗車。

一駅先の花巻空港駅で降車…したのがまさかのわたしひとりだった!そんなことある!?

ずいぶん鄙びた駅だなあと感じたのも納得、まあまあ混んでた乗客はほとんど盛岡に行くのかな?

 

駅から空港まではアクセスバスで10分弱。

仕事で来ていたのだろう男性客2組が先に待合室にいたからよかったけど、正直めちゃくちゃ不安だった。

しかもバス、5分ほど遅れて来たし…。

 

そんなこんなで無事に12:30、伊丹行きのJALは離陸。

例によって旅館の朝ごはんをたくさんいただいていたのだが、

お昼時でなんとなく口寂しくなり機内でおやつを食べたり、

窓からの景色をずっと眺めていたり、

ついでにちょっと昼寝をしたり…

 

 

あっという間に大阪、空港バスで西梅田へ。

www.intergatehotels.jp

👆今回のホテル

初めて泊まったけど、空港バス乗り場から近いしきれいだし、

なによりもともとキタは西梅田界隈が土地勘あって安心だったのでよかった。

花巻温泉の余韻に浸りたくて、大浴場は使いませんでした。

 

でも実はホテルの入り口がよくわからなくてちょっと迷った。

梅田って地下はわかりやすいけど、地上に出たら途端に謎。

ほんの10分ほどさまよっただけで既に汗ダク、西日差す大阪はものすごく暑い…。

気がつけば夕方4時になろうかという頃、チェックイン後すばやく着替えて出発!

 

明確な目的があったわけではないのだが、ルクアイーレに見たい店があったので一旦向かってみるも、あんまりピンとこなくて買い物せず。

それにしてもやたら館内混んでるなと思ったら、アットコスメストアが数日前にオープンしたばかりらしい。

熱気と若い女の子たちのエネルギーがすごくて、田舎から移動してきたばかりの身には正直辛かった。

まじで。おのぼりさん状態…。

自分の身なりもこころなしかヨレヨレに見えるし(温泉でのんびりリフレッシュしたはずでは?)

すごすごと退散。

 

そして、お昼ごはん食べてないからこんなに消耗しているのでは?という仮説をたて、新梅田食道街へ。

中途半端な時間だけど、きじでお好み焼きを食べちゃおう!という案を思いついたのである。

 

我ながら名案、この時間ならまあまあ空いているのでは?

豚玉かな〜モダンもいいな、2枚はちょっと食べきれないかもな〜

と目論んでいたがそんなに甘くなく、もちろん満席。

 

ちょっと悩んだけど、待てなかったから向かいの松葉に飛び込んで串カツタイムを送ることにした。

「とりあえず生」がしみる。。。

まだ店内は空いていて、タバコの煙もほとんどなくて快適だった。

中ジョッキ1杯で済ませて、ほろよい気分で阪神デパ地下へ!

 

これこれ、これですねん。

 

シャワーを浴びてさっぱりしたところで晩酌スタート。

ほんのりあったかいしゅうまいをつまみながら、幸せな夜が更けていく…。

 

 

4日目

今回西梅田エリアのホテルを押さえていてよかったのが、阪神電車の改札が近くて移動がスムーズだったこと!

阪神に乗って魚崎乗り換え、六甲アイランド線アイランド北口駅

小雨が降るなか、神戸市立小磯記念美術館へ。         

 

本当に心から行ってよかった。

どの原画からも青池先生の愛が伝わってきて…。

初期の短編もものすごーーーく上手い。

高校生で学業と両立しながらのクオリティとは思えない。。。

 

『アルカサル』のドン・ペドロ残酷王のことをずっと「王様」と呼んでいらしたのもぐっときた。

来年の東京会期も絶対に行きます。

 

画集とグッズももちろん購入。

ジェイムズ君の飴ちゃんポーチはそのままのど飴ポーチとして使うのだ(今までちっちゃいジップロックに入れて持ち運んでいた)

ポストカードセットも美麗で…

仕事で疲れて帰ってきた時とかに1枚1枚眺めるだけで思わずニッコリ笑顔になるセレクション。

 

骨太なハードボイルドとコメディと写実性と麗しの少女漫画メソッドがこんなにもハイクオリティで両立できる漫画家先生、わたしは他に知らないわ。

青池先生、ずっとお元気でいてください。大好きです!!!

 

 

というわけで大満足だった最終日。

ほくほくした気分で当日リリースされた人間椅子の新譜「色即是空」を聞きながら、

ツマガリのバタークッキーを手に帰路についたのでした。

あ、そうそう、新大阪のホームでぼーっとしてたらドクターイエローに遭遇したのも嬉しかった(両手が塞がっていて写真撮れず)。

 

我ながら情報量多すぎの4日間、とーーーっても楽しかった!

 

 

また労働に励むぞ。